京都を歩く
2月9日。仕事で京都を訪れるのはもう数年ぶり。今回は2週間の滞在期間があるので日程さえうまくクリアすれば少ない休日を利用して京都散策も可能だろう。...そう、京都は歩くのが一番楽しい。日本中何処を歩いても京都ほど魅力ある散歩コースはそうないだろう...。というのはある意味、こんなに名所が集まる場所も少ないからだ。およそ1km毎に世界文化遺産を巡れる場所は世界でも珍しいだろうし、歩く事で普段は見逃しそうな歴史の一端を垣間見る愉しみも増す。
2月15日仕事休み。AM9:30 宿泊先のホテルに面した四条通は先斗町や祇園、木屋町、東山などの観光地京都を代表する周辺へのアクセスで必ず利用するルートでもあるが、宿泊先から四条河原町方面に少し歩くと烏丸の手前に交差する堀川通りがある。片側4車線で遊歩道も車道2車線分もある様なかなり広い大通りで四条通と同じ様に夏の祇園祭で山鉾巡行で賑わう事でも有名だが、ここを三条方面へ北へ上がるか五条方面へ下がるかの散策ルート選択で迷うところ...。北へ上がれば1km程で世界文化遺産の二条城。南へ下がれば、同じく1km程のところに世界文化遺産の西本願寺。名所巡りというよりは目的は”歩く事”にあるので、滞在期間のストレス解消の為のウォーキングの先々に名所がある...といった感じだ。もう一日くらいは滞在中に休みもとれるだろうから、今日のところは天気も良いし二条城方面へ歩くことに決定。左の写真の方向にしばらく歩いていくと、やがて二条城が見えてきた。
御濠の一角から向こうに二の丸、本丸へと続く。
二条城といえば江戸幕府が始まった慶長8年(1603年)に家康が京都御所を守護する為と将軍上洛の際の宿泊場所として造営した...らしい。観光客の居並ぶ堀川通り沿いの入り口のたて看板にそう書いてあった。幕末は大政奉還が行われた場所でもある。今回は拝観料を払ってわざわざ観光バスツアーの団体と一緒に見学するつもりもないので、雰囲気だけ味わってさらに1km先の京都御所に向かって歩く...。
京都御所へ向かう途中、レトロな趣きの京都府庁が気になったので一枚。
我が故郷にある宮崎県庁も負けてはいないが、歴史ある古都京都の風情にマッチしている。京都のいたる所(京都駅ビルは例外だが)歴史的建造物に対する周辺住民や町ぐるみの配慮が見られる点は良い事だと素直に思う。歴史的文化との共存は町の発展の上に容易くないだろうが、後世に文化を伝える街づくりへの配慮は京都に限らずどの地域でも考えてほしいものだ。
ちょうど京都府庁の真向かいにある平安女学院の一角でこのような石碑を見つけた。見ると...旧二条城は織田信長が当初、将軍足利義昭の為に急ごしらえで築城したのが最初で、この石碑を中心に390m四方に渡って石垣や庭園を配し城内は金箔を用いた絢爛豪華な造りだったとの事。その後、将軍義昭を追放し東宮を迎え入れて「二条御所」として使われていたが、室町幕府の滅亡と共に解体され旧二条城は安土城築城の資材として再利用されたのだとか...。”歩き”での京都散策はこういった再発見もある。車やバスツアーでは見逃すに違いない。
上の写真の場所から100m程歩いて周囲を緑に囲まれた京都御苑
の向かいに又、気になる場所を発見。
学問の神様、菅原道真公ご生誕の地とある。この場所から湧き出す水を産湯に使い...という様な文面がいろいろと書いてあった。とりあえずではあるが携帯電話のカメラに収めた後に拝んでおく...。「え~っと...記憶力がよくなりますように...。」記憶力が良くなれば何に付けても当て嵌まる様で役に立つだろうという...少し欲深げな願いだ。写真を収めた位置からの祈願なのでご利益も薄いだろうが。
上の写真を撮って振り返ると御所のある京都御苑の蛤御門?だったかな...歩き応えのありそうな御苑の中を散策。東京にある皇居も広いが、京都御苑も入ってみると中々である。「周囲を歩いたら結構距離あるだろうな...」などと思いながらも、そこまでクソ真面目に『歩く事』に執着しているわけでもないから気楽なもんだ。
ひろ~い! 先の方に見えるのは御所??!
しかし、敷地内の神社の数には驚いた。神社の総本山?みたいなものだから、当たりまえと言えば当たり前だが...。
結局、一般公開している閑院宮邸跡を見学した後にぐるりと御苑内を散策してしまった。「さて、昼も近くなったしどうしようかな...。」と考えていると、如何にも観光で来ましたという格好の若いカップルの質問に京都弁で答える初老のご婦人の言葉が耳に入ってきた...。「あぁ、平安神宮やったら...ここを真っ直ぐ行って...」
そうか...平安神宮もいいな。近いし...。...と思いながら行き先が一緒になった『如何にも観光で来ましたという格好の若いカップル』の後を尾行して...? いや...偶々方向が同じなのでツイテ行く...。
途中、道に迷っているそのカップルに平安神宮の行き方を教えてあげようかとも思ったが、いきなり話しかけて「平安神宮はこっち→」などと教えるとかえって怪しまれるのでカップルを尻目に鴨川に架かる橋を渡った。鴨川といえば京都市民の憩いの場。ゆっくりと橋を渡りながら写真を撮っているうちに、振り返ると先ほどのカップルも何処をどう通ってきたのか...何とかやって来た様だ...。
京都大学の横を通り抜け、五山の送り火の”大文字”の見える辺りの東大路通りを曲がる。ここから北へ反対に少し行けば銀閣寺もあるが遠回りだし、やはり今回は平安神宮へ...。
少し歩いた所にある八ツ橋発祥の店で”割れ八つ橋”\200を購入。散歩のついでの土産物はいつもこんな感じで...。
平安神宮はすぐソコ。
旨そうな匂いのする出店が立ち並んでいる。あっ、そうか...昼飯まだだったな...忘れてた。でも、何故かお腹が空かない...。
平安神宮で参拝。ここで息子に四神御守りを購入。四神とは風水にも出てくる...都を守る方角を司る神の事で、北に玄武、南に朱雀、西に白虎、東に青龍とされている。何故だか息子はそういう知識もあった様で後からこの事を電話で伝えると「四神?知ってるよ。玄武でしょ...青龍でしょ..」と当然の様に答えていた。平安神宮で珍しいと思ったのは境内の手水舎には西に白虎、東に青龍が鎮座している事。竜はよく見るが、白虎は多分珍しいかも。口元から水の湧き出るアレである...。
道順が北から南へ下がる形になった。予定では左の写真の鳥居から東山方面へ行くルートを辿ろうと思っているのだが、鳥居を間に両側に美術館があるのを発見。写真・左側では近代美術館にて国際芸術展が...右側では京都美術館で京都市内の美術大学に通う大学生の作品展が開催されており、興味が湧いたのでこちらへ入ってみる事にした。
学生といえど古都京都の歴史文化の影響を普段から受けているだろう作品が多い事に感心した。芸術を学ぶ上でも生活の中に点在する文化・風情が色濃い京都は学生にとって願ってもない場所かもしれない。作品をブログ用に写真に残そうかとも一瞬考えたが、その手を止めた...。どう考えても写真という枠には表現を残しきれないし、観る位置・角度によって感じるモノが違うのが芸術作品というもの...写真に残すという行為は作者の意志に反して撮る者の意志・表現が加わる...そういうものだ。―そんな事を考えている自分がすっかり芸術家気取りになっている。一時間程見学して時計を見ると、もうPM2:00になろうという時間だったので又歩き出した。
ここは鴨川に流れ込む琵琶湖琉水。その名のとおり琵琶湖から流れてくる。両脇に美術館のある平安神宮・鳥居前を流れている川だ。陽も傾き始めてきたので、ここから東大路通りに戻って祇園から宿泊先への帰路を辿る事にした。途中、カミサンへの土産でもあればとマスコミでも家督騒動で有名になった一澤帆布店に入るが、値段が高いので早々に引き上げる...。まだ京都での滞在期間は一週間も残っているし、家族への土産は別の機会にしよう...。
そういえば昼飯まだだったなぁ...。充実し過ぎてお腹も空かなかったが、そろそろ何か摘もうか....。
円山公園の枝垂桜はこの所の季節はずれの陽気にも関わらず未だ蕾を固く閉ざしたまま...まだまだ春には早い。
そういえば...その昔、円山公園で当時付き合っていた彼女とデートしたっけ...もう、あれから十何年も経つけれど、俺も相変わらずだな........。
そんな事を考えながらトボトボと重く歩く足取りに自分で気付いて、「清水寺まで行ってもいいかな...」くらいに朝は考えていたが疲れてきたし、いい加減今日は帰ろう。”ひとり歩き”の良い点?はマイペースで歩きながら発見もあるし楽しいが、疲れてくると途端に自らの人生観を振り返りがちになる反面もある。
八坂神社からホテルまでは四条通を真っ直ぐ4km程だろう。
ここまで来れば普段の散歩道だ。今回の滞在期間でこの直線を往復したのは何度くらいだろう?
歩いていて何だか無性に餃子が食べたくなったので、餃子を近くの店でテイクアウト。 ビールを買って帰ろうっと。あぁ、大阪心斎橋のひと口餃子も食べたくなってきた...そろそろ疲れてきたかも。
京都南座の前を過ぎ...。
来月は面白そうな歌舞伎の演目が...。
やっぱり近くの店で食べて行こうか...いや、ビールも飲みたいし、そうなると折角買った餃子も無駄になる。じゃ、さっきの餃子店でビール注文しとけば良かったかな?...電車で帰るか...何でここまで来て電車に乗らなきゃいけないの?...なんて自問自答も”歩き”ではいつものこと。
あっ?!又、昔を懐かしんで寄り道してしまった...。昔、よく行ったあの店あるかな?と思っているところへ舞妓さんが...。「祇園どすか?木屋町どすか?行きはるお店...あ、先斗町ですのん?...」
まぁ、店の場所の見当はついていたが、単純に”ひとり歩き”に飽きてきて舞妓さんに途中までお供して貰ったという様な 具合で。
先斗町の歌舞練場。
舞妓さんにお礼を言って別れた。
昔の行きつけの店は健在なのを確認し、店に入らずに通り過ぎる...。行きつけと言っても最初は諸先輩方に紹介して頂いたのだが。
京都で世話になった方が多い分、この界隈の馴染みの店も多い...。
ついでに新京極通りの錦天満宮にお参りし~♪
何だかんだで30分程歩き続け...
途中でビールを購入。
お腹も空いたので気になる弁当屋を覘く...。雑然とした感じで作り置きの弁当が並んでいるが、美味そうだし買って帰る事にする。
ビール
と餃子と弁当の組み合わせの食事と相成りました。
”歩き”の散策もいいけど、その後のコレは格別。
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ちなみに...↓
弁当は¥250弁当。
京都で一番安い店らしい...この値段なら全国的に一番じゃないかな?
このご時勢で大したものだ。
焼き鯖と鶏唐揚げが入ってこのボリュームならOLやサラリーマンじゃなくても嬉しい価格だ。メニューはこの他6種類ほどあったので残りの滞在期間に又、食べる事もあるだろう...。
2月23日迄の二週間の京都滞在だったが、その後も少ない休日を一日使って『南ルート』を散策し、西本願寺や東本願寺と京都タワーを経由して三十三間堂から東山方面を歩いた。北と南ルートの散策距離はおよそ20kmくらいか...。
以前、都内で終電後の夜中まで酒を飲んで20km以上歩いて帰った事もある。それを聞いて呆れかえる友人には「ハザードマップとかさ...帰宅難民にならない様に一度歩きたかったんだ。」と語っているが、それを言うならその前に『終電過ぎて...帰宅難民』だ。
まぁ、昼日中に散策しながら健康的に歩くのはいい...。
まず、歩いてみる事だ。
歩く事で町に馴染む自分がいる...。
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